ラブくま通信 10/24号

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移住者紹介/安井佳奈さん

人の温かさに触れたのが移住のきっかけ。人との距離の近さが暮らしの楽しさに。

安井佳奈さん/球磨郡湯前町在住
安井佳奈さん/球磨郡湯前町在住

学生時の柔道合宿で湯前町を訪れ、地域おこし協力隊に

熊本県南の人吉・球磨地域の一角にあり、宮崎県西米良村に隣接する湯前町。地域鉄道「くま川鉄道」の終着地があり、住民の足として利用されています。同町に住む安井佳奈さん(兵庫県出身)は、京都府から湯前町に移住。大学時代に柔道部の合宿で湯前町を訪れたことが移住のきっかけでした。

「毎年、合宿で湯前町に来ていましたが、3年生の合宿時に、対向車線側の歩道にいた見ず知らずのおばあちゃんが私に挨拶してくれたんです。これまでそんな経験をしたことがなったので、とても温かい気持ちになり、強く印象に残りました」と振り返る安井さん。

インターハイ団体3位、関西学生大会では個人準優勝などの成績を誇る安井さん。コロナ禍で柔道から遠ざかっていましたが、「また体を動かしたい」と意欲を燃やします
インターハイ団体3位、関西学生大会では個人準優勝などの成績を誇る安井さん。
コロナ禍で柔道から遠ざかっていましたが、「また体を動かしたい」と意欲を燃やします

その後、卒業後の進路について考えていた時、部の監督から「(気に入っているなら)湯前町に行っては」と言われ、同町への移住と就職を検討し始めたそうです。そんな時に、町が地域おこし協力隊を募集していることを知り応募。2015年に移住し、協力隊員として町の広報活動や独居高齢者の見守りなどのほか、柔道指導者として週3回、道場でジュニアの育成などを行なっていました。

「社会人経験がなかったので、最初は地域の中で孤立しないか不安でした。しかし、町の人たちが何でも親切に教えてくれて安心できました。町内のさまざまな飲み会にも誘われることが多く、そこでこれまで知らなかった人とも打ち解けられて、本当に楽しいです」と、充実した生活ぶりが伺えます。

地域おこし協力隊として他の隊員と共に、町の魅力を伝えるための広報活動に従事していました
地域おこし協力隊として他の隊員と共に、町の魅力を伝えるための広報活動に従事していました

都会にはないものが湯前町にはある

協力隊の3年の任期が終わると、安井さんは町職員の採用試験を受験し合格。現在は、教育課社会体育係に所属し、湯前町B&G海洋センターで勤務しています。協力隊時代は、町が用意した2階建の一軒家に住んでいましたが、町職員になって平家の一軒家に引っ越しました。

「子どもの頃から集合住宅に住んでいたので、一軒家は憧れでした。協力隊時代は初めての一人暮らしに不安もありましたが、今は快適に過ごせています」。

2LDKの住まいは、無垢材の床なので木の温かみ感じられるところが気に入っているそう。集合住宅と違い、近隣への音漏れに神経質にならずに、友人たちを呼んだりできるのも楽しみの一つ
2LDKの住まいは、無垢材の床なので木の温かみ感じられるところが気に入っているそう。
集合住宅と違い、近隣への音漏れに神経質にならずに、友人たちを呼んだりできるのも楽しみの一つ

一方で、専門性の高い医療機関が少ないことが悩みの種という安井さん。湯前町やその近隣にはスポーツドクターが在籍する医療機関がないため、時には2時間以上かけて熊本市内まで受診しに行くこともあるとか。しかし、「流行りの店やファストフード店など、都会には当たり前にあるものが湯前町にはない。でも、逆にそれが新鮮で面白いとも感じます。どこに行くにも時間がかかる半面、ちょっと冒険みたいな感覚も味わえます(笑)」と、移住生活を楽しんでいます。

移住して9年目を迎える安井さんは、人の温かさに支えられながら、今やすっかり“町民”として溶け込み、湯前町での暮らしを楽しんでいます。「人との距離間が近く、都会にはない自然や人情があるのが湯前町の良さ。これからも町の職員として、誰からも気軽に声を掛けてもらえる存在になりたいですね。もちろん、これからもずっと湯前町で暮らしていきたい」。安井さんの“湯前愛”は、今後もますます深まっていきそうです。

町職員として、レクリエーション指導のほか、町民体育祭や球技大会などの行事運営にも携わっています
町職員として、レクリエーション指導のほか、町民体育祭や球技大会などの行事運営にも携わっています

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