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ラブくまプロジェクト地域課題解決アドバイス人材マッチング事業報告

目次

美里町・南阿蘇村の地域課題解決に向け、アドバイザーが熊本へ

ラブくまプロジェクト地域課題解決アドバイス人材マッチング事業において、美里町及び南阿蘇村の地域課題に対して、ラブくま会員から選任されたアドバイザーより提言書が各自治体に提出されました。

この事業は熊本県内の自治体が抱える地域課題について、現地を訪れて解決策をアドバイスする人材をラブくまプロジェクト会員からマッチングし、現地に派遣することで地域課題解決のためのアドバイスを通じて地域活性化を図ることを目的としています。

昨年10月にラブくまホームページでアドバイス人材の募集を行ったところ、多くの皆様から応募をいただき、事務局による選考の結果、美里町の課題へのアドバイス人材として東京都在住の田中優磨さん、南阿蘇村の課題へのアドバイス人材として神奈川県在住の狭間孝征さんを選任。それぞれ課題解決のための活動を行っていただきました

1.美里町「移住定住に係る地域課題の掘り起こし及び課題解決の取組検討」の課題解決に向けて

美里町のアドバイザーに選ばれた田中さんは、大学院で公共経営を専攻後、現在は研究員として地方自治体へのコンサルティング・調査研究業務に従事されています。昨年9月に熊本における地域振興をテーマにしたシンポジウム開催に取り組んだことがきっかけで美しい熊本の暮らしや企業・自治体の努力に感銘を受け、この事業に関心を持ち応募されたそうです。

田中さんは、まず美里町が実施する移住定住に関する町民参加型のワークショップにオンラインで参加し、町が抱える問題や地域住民が持つ移住定住へのイメージについての現状把握に取り組みました。

オンラインでワークショップに参加する田中さん
オンラインでワークショップに参加する田中さん

田中さんはこのワークショップに参加したことで、移住者へ情報を伝える体制、移住定住を受け入れるコーディネーターやハード面の整備の重要性、地域づくりは行政だけではなく、暮らしている住民が手を差し伸べることが大切であるということを感じたそうです。

美里町へ現地訪問

複数回のオンラインでのワークショップを経て、2024年3月に現地視察のため美里町を訪問。訪問日に美里町が主催した古民家再生見学ツアーに同行しました。

このツアーは、美里町の課題である空き家問題と移住者のすまい確保の観点から開催されたもので、美里町で実際に古民家を改修し、店舗や住宅にした物件の見学や所有者の方に様々な体験談を聞かせてもらい、古民家購入・リノベーションにかかる費用や準備について参加者の知見を深めてもらうことを目的に開催されました。

同行した田中さんも参加者やナビゲーターの方などと活発な意見交換を行いました。

物件所有者に質問する田中さん
物件所有者に質問する田中さん
ツアー参加者と意見交換する田中さん
ツアー参加者と意見交換する田中さん

ツアー終了後、田中さんからは、物件所有者やツアー参加者と意見交換が出来てとても有益な情報を得られたとの感想がありました。

また、現地視察後も、美里町職員の方とメール等で質問や関連資料の提供を受けながら、美里町の課題に対する提言書をまとめられました。

2.南阿蘇村「空き家管理・活用に係る物件所有者への啓発活動」の課題解決に向けて

南阿蘇村のアドバイザーに選ばれた狭間さんは、菊陽町の出身。南阿蘇村には観光やドライブで何度も訪れたことがあり、とても愛着がある村ですとのこと。今回応募したきっかけは2016年の熊本地震。甚大な被害を受けた阿蘇地域をニュース等で見て、小さい頃に家族と温泉やドライブで通っていた村への恩返しをしたいという思いからアドバイザーに応募しました。

そんな思いをもって、南阿蘇村の課題である空き家問題に関する現状把握のため、狭間さんが2024年1月に現地視察を行いました。

まず、南阿蘇村役場を訪問し、移住定住・空き家問題の現状について村の担当者へ聞き取りを実施しました。事前に担当者に要請していた資料を見ながら村の人口推移や空き家バンクの現状を把握しました。

村の担当者から説明をうける狭間さん
村の担当者から説明をうける狭間さん

その後、実際に他県から移住してきた方のご自宅を訪問。移住の経緯や空き家を取得するまでの状況や南阿蘇村での暮らしについてヒアリングを行いました。

他県から移住してきた方のご自宅を見学
他県から移住してきた方のご自宅を見学

また、移住者からの話だけではなく、空き家所有者からも話を伺い、購入希望者とのマッチングに対する課題や南阿蘇村の空き家の状況を確認しました。

空き家所有者の説明を受ける狭間さん
空き家所有者の説明を受ける狭間さん

現地視察を経て、実際に移住してきた方や空き家所有者の方に貴重な話をしていただき、空き家問題に理解を深めた狭間さんからは、移住してきた方と地域住民との実際の交流がどうなっているのかという点も気になったとの話がありました。

オンラインで追加インタビューを実施

南阿蘇村での現地訪問を終えた狭間さんは追加で、実際に移住者が多い地域の区長さんや空き地の所有者、他県からの移住者3名にオンラインにてヒアリングを実施し、南阿蘇村の課題に対する提言書をまとめられました。

オンラインインタビューする狭間さん
オンラインインタビューする狭間さん

提言書提出

お二人から提出された提言書を美里町、南阿蘇村にそれぞれ提出。

美里町

「地域の実情を丁寧に調査した提言を頂いた。今後の空き家問題の取組に活かしていきたい」

美里町での提言書の贈呈
南阿蘇村

「移住者や地域住民、区長等に視察等で現状を把握いただき、それぞれが抱える課題に対する提言をいただいた。今後のより良い村づくりの参考とさせていただきたい。」

南阿蘇村での提言書の贈呈
南阿蘇村での提言書の贈呈

両自治体からはこのような感想がありました。

お二人が作成した提言が、今後のより良い地域づくりに活用されていくことになりそうです。

最後に、今回の事業に参加いただいたアドバイザーのお二人から感想をいただきました。

田中優磨さん

美里町では、空き家の活用や古民家の再生を通じて、「住まい」の視点から魅力ある里山での暮らしを発信していることが分かりました。

訪問先では、古民家をリノベーションした住宅兼店舗などを拝見し、美里町のコミュニティに溶け込み、豊かな暮らしを送っておられる方にお会いできたことが大変印象に残っています。

また、検討にあたって、熊本県、美里町のご担当者の方、そして事務局の皆さまにも温かくサポートをいただき、ますます熊本県、そして美里町のことが「気になる存在」になりました。

今回の事業をきっかけに、また是非熊本の美味しい物や自然にふれ合いに訪れてみたいと思います。この度は大変お世話になり、ありがとうございました。

狭間孝征さん

熊本県の中でも小さい頃に頻繁に訪れていた場所であり、思い入れが強い南阿蘇村の課題解決に携わることができ、とても感謝しております。また南阿蘇村の担当者をはじめ、今回一緒に活動させていただいた皆様がとても親切に対応いただきました。

空き家については全国的な課題で、自治体によって置かれている環境が異なりますが、今回南阿蘇村の課題に触れ、全国的な課題と比較すると移住希望者も多く、改めて魅力のある村であることを認識できました。今回の活動を機にこれからも継続して、熊本県とつながっていきたいと思います。


ラブくまプロジェクトでは、今後も県内の地域課題解決などを通して「熊本の未来を創る」取り組みを実施しいきますので、皆様のご参加をお待ちしております。

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