【新・旬感くまもと/益城町・阿蘇くまもと空港】世界へつながる、広がる。進化し続ける阿蘇くまもと空港―益城町

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旬感くまもと

世界と地域にひらかれた“九州セントラルゲートウェイ”

熊本の空の玄関口「阿蘇くまもと空港」。2023年3月の新旅客ターミナルビル開業に続き、2024年10月には搭乗者以外も利用できる「そらよかエリア」が誕生しました。また、未来をテーマに学べる「くまもとSDGsミライパーク」の開設や、全国でも珍しい滑走路をコースにした「熊本空港マラソン」など、空港を活用した画期的な取り組みも次々と行われています。 

さらに、新型コロナウイルス禍でゼロになった国際路線は、ソウル線の運航再開を皮切りに、台北線の新規就航などで伸長。2024年度の国際線旅客数は過去最多の47万人に達しました。2025年12月時点の便数は5路線(ソウル、釜山、台北、高雄、台南)41便で、地方空港としてはトップクラスです。熊本は、このうち3路線が就航している台湾との結びつきが強く、人的交流も今後ますます活発になると予想されます。

阿蘇くまもと空港の外観。黒地に白く細い縦線が入った壁に空港の名前が記されている
新旅客ターミナルビルは耐震性が高く、受電系統が複数あるなど、災害対応能力に優れています
阿蘇くまもと空港の内観。床は白基調で、壁と柱は黒基調の中、天井の小国杉の木目が目を引き、温かみを感じさせる
天井パネルには熊本県産の小国杉がふんだんに使用されていて、「熊本らしさ」を感じられます
「ウェルカム」という文字とかわいらしい犬の絵が目を引くほじょ犬トイレの外観
補助犬用のトイレやロードバイクサドルラックなども完備。誰もが心地よく利用できる工夫が随所に見られます

「空港で遊ぶ」文化をつくるーそらよかエリアの誕生

2024年にオープンした「そらよかエリア」は、飛行機に乗らなくても楽しめる場所として、空港の新たな価値を生み出す3つのゾーンで構成されています。「ダイニング」は、家族で楽しめるレストランから手軽なテイクアウトフードまで、飲食店が充実したエリア。「パーク」は、くまモンのモニュメントがお出迎えをしてくれる憩いの広場となっています。また、「ビジターセンター」には、遊びや学びのためのツールがそろっています。

そらよかダイニングの注目は、台湾発のドリンクスタンド「Milksha(ミルクシャ)」と台湾料理の「一流二事」がコラボした店舗「迷客夏Milksha ft. 一流二事1624」。新鮮な牛乳にこだわり、白い手作りタピオカが特徴のミルクティーと、モチモチの麺と独特の辛味がクセになる「藤椒半筋半肉牛肉麵」がおすすめです。また、そらよかパークでは週末を中心に野菜市やスケッチ大会、ヨガ教室など、さまざまなイベントが開催され、空港の賑わいづくりにひと役買っています。

モニュメントの色は赤で、ローマ字でくまもとの形をとっている。その横には飛行機のパイロットの制服と帽子を身に着けたくまモンの人形が置いてある
そらよかパーク内にあるくまモンのモニュメント。訪れる観光客にとって恰好の写真映えスポットに
飲食店が軒を連ねる「そらよかダイニング」に続く通路。エリアの看板にはナイフとフォークの絵が描かれている
新旅客ターミナルビル側から「そらよかダイニング」へと続く通路。バラエティー豊かな飲食店5店舗が軒を連ねます
器に盛られた「牛肉麺(ニューローメン)」。黒に近い濃い茶色のスープに、大きな牛肉がゴロゴロと載っている。面は太めで、一番上にはネギがたっぷりかけられている
台湾を代表する麺料理「牛肉麺(ニューローメン)」。花椒の痺れるような独特の風味が、あとを引く美味しさ

■迷客夏Milksha ft.一流二事1624

空港が未来を考え学ぶ場に―くまもとSDGsミライパーク

もう一つのゾーン「そらよかビジターセンター」は、新旅客ターミナルビル建設中に使われていた仮設ターミナルを改修して作られました。その中で核となっているのが、株式会社肥後銀行が運営する日本初の企業連携型SDGs教育施設「くまもとSDGsミライパーク」です。同施設のミッションは、「SDGsを実行しながら、自分の未来を描ける人を育てること」。

最大300人が収容できる事前予約制のワークショップは、県内外の小学4年生から社会人まで広く利用されていて、社会科見学や修学旅行等で訪れるケースも多いそうです。また、予約なしで見学できる展示ブースでは、日本国内のさまざまな企業のSDGsに関する活動や地下水保全の取り組みについて、パネルや実物、模型の展示などで分かりやすく紹介されています。

阿蘇くまもと空港を運営している熊本国際空港株式会社は、今後の計画として2029年度までに国際線8路線・国際線旅客数92万人、さらに2051年度までには17路線・175万人を掲げています。こうした、空の玄関口やヒト・モノの輸送拠点という空港本来の機能強化に加え、そらよかエリアなどに代表される搭乗者以外も訪れ、楽しむことができるコンテンツの充実、「また行きたい」と思ってもらえる空港づくりがさらに進化していくことに期待が高まります。

「くまもとSDGsミライパーク」の画像。手前にはパークの名称のモニュメントがあり、奥にはテーブルやアニメのキャラクターなどが見える
仮設ターミナルを改装して作られた「くまもとSDGsミライパーク」
ロボットは白を基調に、差し色で青や黒、灰色が入っている。手には日本刀のようなものを持ち、清正の兜を模した細長い飾りが目立つ
平田機工のブースに展示されている「FLAGNOID清正」。同社の産業用ロボット技術が駆使されたオリジナルの可動ロボット
細長いテーブルがいくつも並び、椅子は小学校や中学校で使うようなものも多くある
ワークショップコーナーでは、再生されたテーブルや、廃校から譲り受けた椅子などが使われています
台湾積体電路製造の子会社で菊陽町に工場を構えるJASMのブールの写真。地下水保全の仕組みをSTEPごとに説明している。
jasmのブースでは、同社の事業内容に加え、地下水保全の仕組みを分かりやすく解説

■阿蘇くまもと空港

■くまもとSDGsミライパーク

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