移住定住の新たな選択肢「地域おこし協力隊」

1~3年間、地域で暮らし、働き、地域を知る仕組み
移住を考える際に、皆さんはどんな手段で情報を得たり、その場所の住み心地を調べたりしますか? 例えば、移住を検討している地域に旅行で訪れてみるという人や、市町村が行っている“お試し住宅施設”などの制度を活用して1週間程度暮らしてみるという人もいるでしょう。
「地域おこし協力隊」は、それよりも一歩踏み込んで、一定期間(おおむね1年以上~3年以下)希望する自治体に住み、農林漁業や地域コミュニティ活動、地域に関する情報発信などの活動を行いながらじっくり時間をかけて仕事や住居などを整えることができる制度です。協力隊としての活動を通してその地域を知ることができるのはもちろん、地域住民との交流や繋がりもでき、地域に溶け込みやすくなるというメリットもあります。
今回は、そんな地域おこし協力隊として熊本県北部の山鹿市に移住し、隊員としての任期が終わった現在も、さまざまな地域活動に携わり、地域内外の“つなぎ役”として欠かせない存在になっている田河正行さんに移住のきっかけや山鹿市での活動、暮らしぶりなどについて聞きました。

イベント企画や棚田保全など、地域づくりにも関わる
地域おこし協力隊は、2023年度の時点で1200近い自治体が受け入れを行っていて、その数は7千人を超えています。現在、一般社団法人山鹿移住定住支援センターkutaminの代表理事を務める田河さんが、協力隊として山鹿市に着任したのは2017年1月のこと。前年の熊本地震後、家族と安心して暮らせる場所を探そうと山鹿市の空き家バンクを活用。その際に、市の担当者から協力隊募集の話を聞いて制度を知り応募しました。
山鹿の魅力を、「何でもそろい過ぎているところ」と冗談めかしに話す田河さん。西日本一の生産量を誇る栗をはじめ、豊富な農産物がとれるほか、温泉や八千代座などの観光地があり、さらに日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキー造りも行われているなど、まさに「ないものがない」というほどの豊かな地域です。
協力隊として空き家バンクの運営や移住定住支援に当たっていた田河さんですが、その傍ら積極的に地域づくり活動にも参加。地域の祭り「きくかまつり」の企画・運営や、日本の棚田百選にも選ばれている番所の棚田の保全活動などにも携わっています。「せっかく地域をPRできる機会なので、イベント会社などにお任せするのではなく、地域の皆さんでアイデアを出し合って行うことが大事」と、先頭に立って地域を盛り上げる一翼を担っています。


協力隊の任期終了後もサポートし、定住につなげる
協力隊としての任期を終えた今も山鹿市に残り、同市から「山鹿暮らしサポート局」の業務委託を受け、同地への移住などを希望する方々の支援を行っている田河さん。協力隊時代に地域の中で少しずつ積み重ねてきた信頼が、「任期終了後の活動において、地域の方々の協力などになって表れている」と感じています。さらに、県内各地の自治体で活動した地域おこし協力隊の“卒業生(OB・OG)”らと協力して「くまもと地域おこし協力隊ネットワーク」を設立。着任後の協力隊員への研修や起業セミナー、交流会などを開催し、現役隊員の相談窓口としての役割を担い、移住から定住へとつなげるサポートを行っています。



「地域おこし協力隊」という形で移住することについて田河さんは、「隊員としての任期は、それまでと異なる場所で異なる仕事をしながら、自分の人生を見つめ直し期間でもあると思います」と自身の経験をもとに話します。また、「住まいの手配や仕事に対する報酬など、行政のサポートが得られる点もメリット」とも。移住の新しい形として、受け入れる自治体、利用する移住希望者の双方が増加している地域おこし協力隊。山鹿市をはじめ、熊本県内でも多くの市町村が隊員募集を行っているので、気になる地域があれば、ぜひ情報を調べてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先
山鹿暮らしサポート局
| 所在地 | 熊本県山鹿市鹿本町来民1633-1(旧来民郵便局) |
|---|---|
| TEL | 0968-41-9009 |
| ymg-g-spt@basil.ocn.ne.jp | |
| URL | https://www.yamaga-gurashi.com/ |




