広がるワーケーション需要と熊本の取り組み
「旅先で働きながら休暇も楽しむ」新しい働き方として注目されている「ワーケーション」。コロナ禍を経てリモートワークが急速に浸透したことで、大手企業でも制度としての導入が進むなど、場所に捉われない柔軟な働き方の一つの形です。
最大の魅力は、単なる観光旅行とは異なり、数日間の滞在を通じてその土地の「日常」や「暮らし」に触れられる点です。地域の人々と交流したり、風土の心地よさを実感したりすることでその土地が気に入り、結果的に移住へと結びつくケースも少なくありません。
こうした需要に応えるべく、熊本県内でも魅力的なワークスペースが増加しています。例えば、海を望む上天草市の「天草シーグラス」や、大自然に囲まれた南小国町の「未来づくり拠点MOG」など、地域の特色を活かした施設が人気を集めています。また、熊本県も独自のワーケーション誘致プロジェクト「KUMA-KATION(クマケーション)」を展開しており、温泉や食を満喫しつつ快適に働ける環境づくりを推進しています。

問い合わせ先
KUMA-KATION(クマケーション)
温泉と清流のそばで働く。人吉市「くまりば」
熊本県内におけるワーケーション拠点の一つが、人吉市にある「人吉市まち・ひと・しごと総合交流館 くまりば」です。目の前には清流・球磨川がゆったりと流れ、歴史ある人吉温泉街にもほど近い絶好のロケーションに位置しています。かつて国民宿舎だった建物をリノベーションし、2019年7月に誕生しました。運営を担う「一般社団法人ドットリバー」の祇園下千裕さんによれば、「コワーキングスペースはアウトドア要素を取り入れ、人工芝やテントを配置。“自然と、仕事が、うまくいく。”をコンセプトに、ワクワクしてアイデアが浮かぶ空間に仕上がっています」とのこと。
利用者は、ドロップイン(一時利用)だけで月に100人を超え、うち約7割が地域外や県外からの利用です。中には、東京の企業に勤務する人がテレワーク拠点として活用している例も。さらに、元国民宿舎だった強みを活かした宿泊機能や、施設内に源泉かけ流しの天然温泉を備えているのも特徴の一つです。「集中して働いた後は、人吉の街へ美味しいものを食べに出かけ、温泉で癒やされる」という、ワーケーションに最適な環境が揃っています。




人の温かさに触れる滞在が移住の決め手に
実際に旅行やワーケーションで訪れたのをきっかけに人吉へ移住した方もいます。それが、現在同施設スタッフとして働く山代椋平さん。島根県出身で、バイクで日本一周の旅をしている途中に人吉を訪れ、その魅力に惹かれました。「滞在中、街の人たちがとても温かくて、初対面なのにお茶に誘われ2時間も話し込んでしまったほどです。その体験が強く印象に残り、移住を決めました」と話す山代さん。今では「くまりば」で働きながら個人の仕事も両立し、充実した日々を送っています。
人吉・球磨地域は、ワーケーションに適した施設があるだけでなく、地域資源の宝庫でもあります。球磨川の恵みを受けた「球磨焼酎(米焼酎)」や風情ある温泉はもちろん、国宝「青井阿蘇神社」をはじめとする相良藩700年の歴史と文化が今も色濃く残っています。また、近年は人気アニメ『夏目友人帳』の舞台として聖地巡礼に訪れるファンも後を絶ちません。「暮らすように滞在する」、そんなワーケーションを通じて、人吉の人々の温かい人柄や暮らしやすさをぜひ肌で感じてみてください。





問い合わせ先
人吉市まち・ひと・しごと総合交流館 くまりば
| 所在地 | 熊本県人吉市相良町4-2 |
|---|---|
| 営業時間 | 各施設で違いあり ※HPを参照してください |
| 休み | 毎週火曜/土日以外の祝日/年末年始(12月29日から翌年1月3日まで) |
| TEL | 0966-22-5183 |
| URL | https://kumariba.com/ |
国宝 青井阿蘇神社
| 所在地 | 熊本県人吉市上青井町118 |
|---|---|
| TEL | 0966-22-2274 |
| URL | https://aoisan.jp/ |




