急増する在住外国人と教育ニーズの高まり
近年、熊本県内では台湾の半導体製造大手・TSMC(台湾積体電路製造)の工場進出などを背景に、在住外国人が急増しています。2024年には外国人住民の増加率が前年比24.2%を記録し、都道府県別で全国1位となりました。そうした中、熊本で暮らす外国人の間からは、グローバルな学校教育への関心やニーズが高まっています。また、県内の小中高校生を持つ保護者の間でも、「子どものうちから国際感覚や多様性を身に付けてほしい」「英語などの外国語力をしっかりと磨いてほしい」などの理由から、インターナショナルスクールへの入学希望者が増えています。
現在、熊本県内には九州ルーテル学院インターショナルスクール小学部をはじめ、熊本インターナショナルスクール、熊本大学教育学部附属小学校・国際クラスがあり、日本人と外国人が共に英語で授業を受ける環境の整備が少しずつ進んでいます。このように地域全体で受け皿が広がりつつあり、熊本の教育シーンは大きな転換期を迎えています。


独自のカリキュラムと多様なスクールライフ
その中の一つ、2024年4月に開校した「九州ルーテル学院インターナショナルスクール小学部」は、スイス発祥の国際的な教育プログラム「国際バカロレア(IB)」のカリキュラムを導入しています。一般的な小学校とは異なり、授業はすべて探究ベースで進められます。児童が自ら問題や課題を発見し、自分で調べて分析し、行動に繋げるというプロセスを大切にしています。
もう一つの特徴は、国語以外のすべての教科を英語で実施している点です。一方で、英語で行われる教科であっても日本の学習指導要領に定められた学習項目はすべて網羅するこで、将来、児童が公立学校などの日本の教育システムに戻った際にも困らないため配慮がされています。同校の上妻薫校長は、「わが校は単なるイングリッシュスクールではなく、正解が一つではない問いに自ら考える力を育てる学校」と語ります。
現在の児童数は49名(2026年7月時点)で、日本人だけでなく外国籍や帰国子女の児童も在籍しています。スクール全体でのイベントも活発で運動会や文化祭のほか、「世界の本の日(ワールドブックデー)」に関連したイベントでは、児童のお気に入りの本の登場人物の仮装をしたり、英語で本の紹介をし合ったりしています。また、1年間の学習成果を披露する成果発表会(エキシビション)では、「戦争と平和」について探究した児童も。熊本に避難してきているウクライナ人に話を聞いた上で、自分たちに何ができるかを考え、平和のメッセージを送ったり、募金活動に取り組んだりしました。




「教育」が熊本移住の新たな選択肢に
開校3年目を迎える同校ですが、成果の一方で課題も見えてきました。開校当初の話題性が一巡したことや、県内に競合するインターナショナルスクールが増え選択肢が分散したことで、生徒の獲得競争も起こっています。今後は、今年予定している国際バカロレア認定校への移行を見据え、同校独自の魅力を伝えるブランディングや教育内容のさらなる充実を図ります。また、卒業した児童たちの進路先の一つには、ルーテル学院中学校の「グローバルコース」があり、小学部での教育内容をさらに強化しています。
熊本では、今後も在住外国人の増加が見込まれており、それに比例してインターナショナルスクールの需要も増えていくと考えられます。こうした環境は、熊本で暮らす外国人だけでなく、現在熊本在住や今後熊本に移住を検討している方々にとっても、子どもたちの教育の選択肢が広がることに繋がります。これまで地方移住といえば「自然環境」や「暮らしやすさ」などが移住先を選ぶ上でのポイントでしたが、これからの熊本は、そこに最先端のグローバル教育が受けられるという点が加わるかもしれません。



問い合わせ先
九州ルーテル学院インターナショナルスクール小学部
| 所在地 | 熊本県熊本市中央区黒髪3-12-16 |
|---|---|
| TEL | 096-377-8999 |
| URL | https://ps.kluther-gakuin.jp/ |




