移住者紹介/山本美奈子さん
毎日が楽しい。毎日が幸せ。 だからこそ、自分の力を町の活性化に還元したい。

杖立温泉に惚れ込み、地域おこし協力隊に
熊本県の最北端に位置し、町の約8割を山林が占める小国町。温泉地としても知られ、その一つ、わいた温泉郷でコーヒー店「地熱珈琲」を営むのが、福岡県出身の山本美奈子さんです。
小国町に友人が移住したのを機に、2014年から度々訪れていた山本さん。同町にあるもう一つの温泉地・杖立温泉に訪れた際に、杖立川沿いに温泉旅館が連なる景色に惹かれ、「開湯1800年もの歴史があるのに、観光地っぽくないありのままの景観がかっこいいな」と感じたそうです。その後も10回ほど同町に通っているうちに、「そんなに好きなら、引っ越しちゃえば」と周囲に勧められたこともあり、仕事を辞めて2016年に移住し、地域おこし協力隊として観光促進に努めてきました。
住まいは、同町の空き家バンクを通じて見つけた杖立温泉内の1LDKの民家。玄関前には蒸し場があり、温泉の蒸気を利用して、野菜や卵などの食材を蒸すことができます。山本さんが特に気に入っているのが、杖立川を望む居間からの絶景。「開放感があり、この景色に毎日感動しています」。徒歩で温泉にも行くことができる環境と相まって、“最高の住まい”となっています。



地域資源の“価値化”を目指して

協力隊の任期(3年)を終えた後も、個人で町の観光企画造成を中心とした仕事を行っていた山本さん。それ以外にも町内の地域商社や熊本市のコンサル企業の社員としても働くなど、現在も平日は日替わりで複数の仕事を掛け持ちしています。
一方で、移住前に体調を崩したのを機に「食」への関心が高まり、勉強会などに通ううち、「50℃のお湯で食材を洗うことで、カビや農薬などの汚れを落とすことができる」と知りました。以前からコーヒー好きだった山本さんは、「毎日飲むコーヒーこそ安全で安心な豆で飲みたい。だったら、自分で豆を洗って焙煎するしかない」と、焙煎機を購入。さらに、「コンサル業をやるなら自分で商いをやってこそ、顧客に対して説得力のある言葉を伝えられるかもしれない」と考え、2022年4月からわいた温泉郷で土日限定の店「地熱珈琲」を始めました。地熱の湯で豆を洗い、蒸気で蒸して焙煎したコーヒーを提供。「地域資源で唯一無二の価値を生み出せた」と実感しています。
福岡市内に住んでいた頃は、「情報や物に溢れ、社会のスピードにのまれる感覚が強かった」と振り返る山本さん。「移住後は自然の中で、余白のある暮らしを体感できるようになり、自分に必要なコトやモノがはっきりと分かるようになった」と言います。同時に、地域の人々とのつながりも強く感じるようになりました。「いかに地域の人を巻き込み、つないで、展開を広げていくかがこれからのカギ。だからこそ、町が持つさまざまな価値に付加価値を付ける、“価値の価値化”をしていきたい」と意気込みます。
「小国で生活するようになってから、毎日、楽しくて幸せです。だからこそ、自分の力を町のために還元していきたい。町の活性化が、自分の楽しさや豊さにもつながっていくと思います」と山本さん。今後は、地熱サウナや民宿、石けん製造などの事業展開も視野に入れています。


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