【新・旬感くまもと/荒尾干潟】国内屈指の広さの干潟で、生き物や自然の魅力を体感しましょうー荒尾市

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旬感くまもと

生き物の宝庫!ラムサール条約登録湿地「荒尾干潟」

有明海に面し、福岡県に隣接する荒尾市は、世界文化遺産の「万田坑」や九州最大級の遊園地「グリーンランド」があるほか、国の伝統的工芸品「小代(しょうだい)焼」や、大きいものは約1キロにもなるジャンボ梨「新高(にいたか)」などの産地としても知られています。

有明海の東側に位置する荒尾干潟は、単一の干潟としては国内屈指の広さを誇ります。また、有明海沿岸の干潟の中でも比較的砂が多い上、貝殻も多量に堆積しているために固く、干潟の上を歩くことができます。さらに、有明海は干満差が約6mもあるため、荒尾干潟では干潮時に沖合約3km以上まで潮が引きます。

2012年には「ラムサール条約湿地」に登録され、国際的に重要な湿地として認められました。干潟にはアサリやマテ貝などの貝類、カニやマジャクなどの小型甲殻類、ゴカイやイソギンチャク、ハゼ、ムツゴロウといった300種類以上の底生生物など、数多くの生き物が生息しています。加えて、そうした干潟に住む生き物をエサとするシギ・チドリ類など、多くの渡り鳥の重要な中継地・越冬地になっています。

荒尾干潟
南北9.1km、東西最大幅3.2km、干潟面積約1,656haの広さを誇る荒尾干潟
マジャク(アナジャコ)
マジャク(アナジャコ)は、体長約10cmでヤドカリの仲間。荒尾干潟では全国的にも珍しいマジャク漁が行われています
クロツラヘラサギ
絶滅危惧種に指定されているクロツラヘラサギやツクシガモなどの希少な渡り鳥も飛来します(写真はクロツラヘラサギ)

干潟について学び・体験する「荒尾干潟水鳥・湿地センター」

ラムサール条約湿地の登録を目指すため、2012年に荒尾市や漁協などの関係団体からなる「荒尾干潟保全・賢明利活用協議会」が設立され、登録後は、同協議会を中心に、干潟の保全や利活用に向けたさまざまな取り組みが行われています。その一つとして2019年に開設したのが「荒尾干潟水鳥・湿地センター」です。同センターには、干潟に生息する生き物や、実物大の野鳥パネルなどの展示などがあり、干潟の生態系や果たす役割などを周知・啓発するための拠点施設となっています。また、年間を通じて、干潟での観察会や探鳥会、清掃活動など、多様なイベントも実施されています。

6〜9月は、有明海の漁業で使われている「テーラー」(耕耘機に荷台を付けたもの)に乗って、干潮時の干潟を走る体験会や、有明海沿いをサイクリングできるレンタサイクルもあり、荒尾干潟水鳥・湿地センターと隣接する長洲町の金魚と鯉の郷広場間の干潟沿いを結ぶ道を、潮風を感じながら走ることができます(3時間無料)。

その他、同センター裏に広がる蔵満海岸では、夕日を眺めながらDJの音楽を楽しむ荒尾市公式メディア「ぎゃんすき!あらおちゃん」主催のイベント「H!GATA MUSIC STATION(ヒガステ)」も定期的に開催されています。さまざまなイベントやアクティビティを通じて、ぜひ荒尾干潟の魅力を体感してみてください。

荒尾干潟水鳥・湿地センター
センター内には、タッチプールや干潟の泥で塗り絵ができるコーナーもあります
開放感のある干潟でテーラーに乗り、生き物をじっくり観察できる乗車体験
開放感のある干潟でテーラーに乗り、生き物をじっくり観察できる乗車体験
荒尾干潟や対岸の長崎県・普賢岳などを眺めながら海辺を走るレンタサイクル
荒尾干潟や対岸の長崎県・普賢岳などを眺めながら海辺を走るレンタサイクル
蔵満海岸でサンセットカフェ&コンサート
10月には蔵満海岸でサンセットカフェ&コンサートも開催。夕日をバックに生演奏が堪能できます
DJの音楽をバックに有明海に沈む夕日を望みながらコーヒーを片手に、ちょっと贅沢な時間を過ごせる「H!GATA MUSIC STATION(ヒガステ)」
DJの音楽をバックに有明海に沈む夕日を望みながらコーヒーを片手に、ちょっと贅沢な時間を過ごせる「H!GATA MUSIC STATION(ヒガステ)」

■荒尾干潟でテーラー乗車体験(問い合わせ先)

■レンタサイクル(問い合わせ先)

■H!GATA MUSIC STATION(ヒガステ)

市の魚「マジャク」を釣りとグルメで堪能!

干潟が育む豊かな水産資源に恵まれた荒尾市では、アサリやマジャク漁、海苔の養殖などが盛んです。特に、マジャクは“市の魚”にもなっているほど市民に親しまれていて、巣穴に毛筆を差し込んで獲るというユニークな伝統漁法のマジャク釣りが行われており、4〜9月頃には一般の方も干潟に出て釣ることができます。

また、マジャクは、荒尾のご当地グルメにもなっていて、天ぷらや塩ゆで、煮付けなどで味わうことができます。荒尾市内の飲食店では、マジャク料理を提供している店も多数あるので、他ではなかなか食べることのできない海産物を、ぜひご当地で堪能してみてはいかがですか。

マジャク釣り
深さ1~2mのY字形の巣穴に毛筆を差し込み、マジャクが巣穴に入る異物を外に押し出す習性を利用して捕まえます
マジャク料理
マジャクが旬を迎える6~9月にかけて、荒尾市内の飲食店ではさまざまなマジャク料理が味わえます
グルメマップあらおマジャク編
荒尾市内でマジャク料理を味わえる店が掲載された「グルメマップあらおマジャク編」

■マジャク釣り

■グルメマップあらお マジャク編

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